frisca はスリップスプリングモデルに基づいたからみあった高分子の 高速レオロジーシミュレータである。 frisca は流体シミュレータのような他のシミュレータへの埋め込み用に デザイン・開発されており、任意の変形条件下でのレオロジーを効率的に計算 すること可能である。
0.1.1
GPL 2
frisca は Linux 上で開発・テストを行っており、コンパイルおよび実 行はUNIX/Linux 環境を前提としている。また、CUDA を 用いた GPU 上での実行に対応しており、CUDA 対応の GPU が利用できる 環境では通常の CPU 上での実行に比較して高速なシミュレーションが 期待できる。
frisca は ANSI C で記述されている。コンパイルには ANSI C コンパイラおよび make が必要である。 frisca はデータファイルの入出力に HDF5 を使用しているので、コンパイルには これらのライブラリが必要である。これらがシステムにインストール されていなければ frisca のコンパイルの前にインストールすること。
また、GPU 用コードは CUDA C で記述されており、コンパイルには NVIDIA CUDA Toolkit および CUDA SDK (GPU Computing SDK) が必要である。 対応 CUDA Toolkit は version 10.0 以降、GPU デバイスは compute capability 6.1 以上である。
frisca は autoconf を使用し、多くのフリーソフトウェア同様の 方法でコンパイルできるようになっている。
$ zcat frisca-0.1.1.tar.gz | tar xvf - $ cd frisca-0.1.1 $ ./configure $ make
GNU tar を使っている場合は zcat frisca-0.1.1.tar.gz | tar xvf -
の代わりに tar zxvf frisca-0.1.1.tar.gz
としてもよい。
frisca は埋め込み用にコンパクトになるよう設計されている。 ソースパッケージ中に含まれる種々のシミュレータコアは独立して 動作するため、それぞれのシミュレータコア (src/ ディレクトリ 以下のそれぞれのサブディレクトリが個々のシミュレータコアに対応する) を 別のソースツリー中にコピーし、Makefile 等を適宜修正すれば他の シミュレータに簡単に埋め込むことができる。(frisca を用いた シミュレータの例は example/ ディレクトリ以下のサブディレクトリを参照。)